「真逆」という表現について、NHKのサイト内の解説ページを教えてもらった

 しばらく前に書いた「真逆」という表現について、はてなダイアリーキーワード解説が良かった - 夏のひこうき雲が意外に反響を呼んだようで、いくつか興味深い反応もはてなブックマークでいただきました。

 こんな疑問が書かれていました。



「ある程度定着してしまっているので、誤用とするのはおかしい」という考えかたは、もう定着しちゃったのでしょうか。組織的に新語を作り出して定着させれば「誤用じゃなくなる」ことになるけど、いいのかな。

 同じようにちょっとユーモアを込めてお答えするとすれば、はい、数千年前に渡来人が定着した頃には定着しちゃったと思います。あるいは、たとえばいわゆる英語というものが成立したときには。
 表現というのはしょせん仲間内での符牒として通用すればそれで役目は果たしてしまうので、従来結びつかなかった語と語が結びつけられて使用されるようになったり、従来は使われなかった場合にも使われたりということが定着すると、それはもう私などが誤用だ誤用だと提灯をもって走ってみても無意味というか、日本語がそういう言語として再定義されてしまうのだと思います。

 たとえば:

  • 「おそらく」は以前は懸念されるという「悪い」意味でしか使われなかった

 私自身はどちらかといえばことばを規範的に運用している方だろうし、真逆という表現も個人的には面倒だし、使っている人の気を悪くしたくないので、ひっかかりながらも気にしないようにしているのですがなどと書いているように抵抗がある表現です。その自分の感覚に対して抑制的であろうとしたことと、実際にその表現を使っている方々への配慮の結果が、誤用とするのはおかしいのだろうけどという部分につながりました。



組織的に新語を作り出して定着させれば「誤用じゃなくなる」ことになるけど、いいのかな

 べき論としては、恣意的に日本語を変化させるというのはその意図の内容によっては「いい」ことではないと私も思っています。ただ実態としては、組織的に新語を造り出して定着させ、新しい表現を作り出すという試みはもうずっとメディアを通じて行われている(たとえば流行語大賞の対象にもそういうものはあるし、広告代理店とか吉本とかその他……)とみています。

 こういうお話というのは個人的には楽しいのですが、更新予定の話題がたまっているので、あれこれ広げていったり本を読んだりすることがなかなかできなくて残念ではあります。


 それから、NHKの「気になることば」で取り上げられていたということを教えていただきました。



正反対を意味する言葉として使われていますが、辞書には載っていません。90年代後半にはテレビでお笑いタレントが使っていたようです。2002年には新聞記事にも登場し、最近では歌の歌詞にもなっている言葉です。

 へぇ〜です。どういう形でかわかりませんが、新聞にも登場したんですね。そのほか



「まぎゃく」という言葉を使うかどうか街頭でインタビューをしたところ、10代など若い層より、20代後半から30代の方々が使うことがあると回答してくれました

 など、いろいろ興味深いことが書いてありました。

 その続編の記事、

 も教えていただきました。



最近、タレントが使うようになっていますが、その背景には照明担当やカメラマンが使っていた「真逆」の影響があったのかもしれません

 とか、「真反対」という表現が地域によっては違和感なく使われているという話など、こちらも面白く読みました。タレントの影響力って大きいのでしょうね。

 疑問を書いてくださったid:mojiuraさん、NHKのページを教えてくださったid:Marumamekoさん、そのほかご自分の経験やフォローを書いてくださった方々、どうもありがとうございました。