グーグル・アースでダルフール危機について見てみた


【4月10日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UN High Commissioner for Refugees、UNHCR)は8日、インターネット検索大手グーグル(Google)と提携し、イラクスーダン西部ダルフール(Darfur)などの難民の状況をネット上で見られるようにし、UNHCRの活動に対する啓発に役立てると発表した。

 そういうようなものが登場したというニュースは以前にも見かけたのだけど、またGoogleアラートで似たようなニュース国連、「グーグル・アース」で難民情報を公開 写真1枚 国際ニュース:AFPBB Newsを知ったので、試しに見てみた。(Googleアラートの設定で、「ダルフール」についてのニュースが出たらメールにお知らせが届くようにしてある。)


 まず、Google Earthを起動した。久しぶりにこのソフトを起動するなあ。

 画面を見渡して、左下の「レイヤ」という所が目に入った。今回のAFPの記事ではUNHCR独自のデータや情報を既存の「グーグル・アース(Google Earth)」サービスに「レイヤー」として加えるものとあるので、ここ(レイヤの所)を見ればいいのかな。

 で、「レイヤ」という所を下にスクロールしていくと、「グローバル アウェアネス」という項目がある。これっぽくないか?と開いてみると、「世界遺産基金」だの「グリーンピース: 気候変動」だの出てくる。うわ〜、それっぽい。

 とりあえず「USHMM: ダルフール紛争」という項目を発見。これ?と思って見てみたけど、これは以前からあるものですね。USHMMというのはUNITED STATES HOLOCAUST MEMORIAL MUSEUM(米国ホロコースト記念博物館)の略だった。にしても、なんで英語ではCrisis in Darfurと書いてあるのに、日本語のレイヤ名はダルフール「紛争」なんだ。


 他に見つからないなあ。このサービスは「グーグル・アース・アウトリーチGoogle Earth Outreach)」と呼ばれるプログラムを使い、UNHCR独自のデータや情報を既存の「グーグル・アース(Google Earth)」サービスに「レイヤー」として加えるものというから、何か他のソフトなりプラグインなりを使わなければいけないのかな?と思って、「Google earth アウトリーチ」で検索。すると、同じAFPのページでhttp://www.afpbb.com/article/pressrelease/contribution/2375796/2813106を発見。ですます調で日本UNHCR協会(UNHCRは「国連難民高等弁務官事務所」)からのお知らせをそのまま掲載しているような感じだ。


ジュネーブ(2008年4月8日) ― 8日、グーグル社とUNHCRはオンライン上の地図を活用し、危機に直面して故郷を追われた人々の状況や人道支援の様子を詳細かつ多角的な視点から知ることのできるプログラムを発表しました。ウェブサイト(www.unhcr.org/googleearth)からご覧いただけます。

 じゃあいったんhttp://www.unhcr.org/googleearthにアクセスしなきゃいけないのね。(今同時進行で書いてます。)何が出るかな?何が出るかな?

 アドレスから予想していたけど、英語のページ。右上に

UNHCR and Google Earth
UNHCR layer at Google Earth
(Download the KML file, 226 Kb)

 という記述があるので、KMLファイルをダウンロードしてGoogle Earthで読み込めばいいようだ。デスクトップに保存してダブルクリックすると、あらワンタッチ。なんかさっき表示したホロコースト記念博物館のレイヤに重なって表示されてるけど、Google Earthの「レイヤ」の上の、「場所」という欄に、「保留」というフォルダができているので、そのフォルダをダブルクリックしたら地球がゆっくりと動き始めた。

 「保留」フォルダの下に、「REFUGEE'S LIFE」というのと「Crisis In Darfur」というフォルダがあったので、後者をダブルクリック。このフォルダの前のチェックボックスをオフからオンにしたら、さっきのレイヤとの重なりが解決した……あ、これは「REFUGEE'S LIFE」のアイコンなのか。

 カメラのアイコンを適当にクリックしてGunshot woundsというのを選んだら、血を体のあちこちから流しているらしい子供のモノクロ写真が。……。


「グーグル・アース・アウトリーチ」の責任者レベッカ・ムーア(Rebecca Moore)氏は、目的は多くの人にとって抽象的な概念に焦点をあて、何が問題であるかを直感的に理解できるよう彼らを仮想旅行に連れて行くことだとしている。

 直感的には理解しているつもりだけど(たとえば問題の普遍性ということに関する私の理解と、たとえばダルフール危機に対するモチベーションの要否について - 夏のひこうき雲の後半に強姦や殺人といった行為は、ディテールを映像で見せつけられなくても、痛みへの共感を呼びさまされる事柄だと思っていますそのほか書いたとおり)、何度も見せつけられるときついな。

 ただ、一度ぐらいは見せつけられた方がいいような気もする。大人なら。