コリン・ジョイス『「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート』

 面白いのでもったいないからちょっとずつ読もうと思ったら、面白いのでつい読み切ってしまった。

「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

 著者のユーモアだけでなく、後半のちょっとしたところに日本への愛憎の屈折した部分が少しうかがわれて複雑な気持ちになった。ジョイスさん、ごめんなさいね。

 ただ、日本人としては読んでいて楽しくうれしい本。基本的に日本のいいところを賞賛してくれているし、肩のこらない内容と文体。

 東京にお住まいの方には、いいデートコースの手引きにもなる(これは断言)。流行スポットでもなく、お金のかかるところでもなく、有名でもない(したがって混雑もしていない)、いいところがたくさん載っている。

 安い本なのに、面白いだけではなくちょっと別の余韻にも気づいてしまい、それにつけても読んで得した感。