日本では「ありがとう」も「すみません」も言わない客が多いんじゃないか



最近、何人かの英語初心者、もしくは英語慣れはしているけれどアメリカ初心者、もしくは英語もアメリカ慣れもしているいるけれど暮らしたことはない、という日本人を観察していて気がついたこと。

それは、客の時にはだれも Thank you とは言わないということ。さすがにこの場面なら言うかなという場面でも決して期待を裏切らない。彼らは絶対に店員にむかって Thank you とは言わない。



ただし、それは「感謝の気持ちがない」のでは決してなく、感謝の背景をどう捉えているかの違いだと思われる。

 たしかに、日本語での「すみません」は"thank you"に近いが、そのこととはあまり関係がないと思う。
 単純に、客だからサービスを受けて当然と思っている人が多いのだと思う。店員に対しては敬体(ですます調)でしゃべらない人も多いし。先輩が後輩に対して敬語を使わないような感じなのかな。
 関係性によって相手との上下関係を(上か下に)決め、それに従って相手に対する態度を決定するような発想の人ってちょっと驚くぐらい多いんだけど(対等という関係がごく限られた間柄でしか成立しない)、そういう人は、自分が客ということで自動的に、自分は黙ってサーヴしてもらうのが当たり前という判断をするのだろうと思う。特別に威張ってやる!というのでなく、そういうものだということを前提に動いている感じ。
 そういう発想だと、店員に対して"thank you"と言う理由はないから、わざわざ"thank you"と言うことが「過剰で偽善的」と感じるのは、むしろ自然な成り行き。後輩に先輩が敬語を使うような違和感を感じるのではないかと。

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 もちろん、それは実態のただの一面ではあるけど。