男女、母子、『やさしいライオン』
finalventの日記 - 増田的議論というか告白というかを読んで、ふと『やさしいライオン』を思い出した。まったく存在すら忘れていた。あの「それいけ!アンパンマン」のやなせたかしの作品らしい。
- 作者: やなせたかし
- 出版社/メーカー: フレーベル館
- 発売日: 1982/01/01
- メディア: 単行本
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検索してみたらやなせたかしご本人がコメントされているページが見つかった。一部を引用。
「やさしいライオン」はいちばんはじめにラジオドラマとして発表したものを絵本にした。
僕にとっては無数といっていいほどの数の絵本やメルヘンを創作し、そのなかから現在の代表作であるアンパンマンも生まれた。
「やさしいライオン」がなければアンパンマンも絵本化されなかったと思う。「やなせさんの作品のなかでは、やさしいライオンがいちばんいいですね」といわれることが多い。
絵本ナビ「やさしいライオン」の詳しい情報では「死と向き合う絵本」と分類されている。
最後にムクムクとブルブルが飛ぶ空の色を今でも思い出す。
今ではこうした心の動きを冷たく見つめる視点を持ってしまっているし、子供に読ませるのが適当かどうかもよくわからない。子供の時でも、大きくなってからでも、読み手が男性か女性かによって受け止め方は内面では大きく違うのではないかと思う。
でももう一度読んでみたくなった。
やなせたかしは、作詞したTVのアンパンマンの歌詞がよく揶揄されるが、人間の内面やその機微を深く洞察している人だと思う。
という逸話からも、キャラクターに対するアニミズム的なトーテム的な感覚からは距離を置いている気がする。そういう感覚で思い出せば、新キャラなんかすぐ作れる、といってTVに出演している時もその場で書いて見せていたあれも、別に自分の能力を誇っているというほどのつもりはなく、キャラクターなんてその程度のものということが前提にあるのかもしれない。
ただテレビアニメ版では、やなせ本人が「アンパンマンは架空の存在」と述べていることもあり、あえて誕生日は設定されていない