糸井重里『合コン・宴会芸大全』に載っていない、使える「ネタ」をご紹介します


 さっき、ふと糸井重里『合コン・宴会芸大全』を思い出した。去年読んだが、まったくこれはなんというか。数はたくさん載っているのだけど、たいてい事前の打ち合わせなどの仕込みが必要なので、面白がられるどころかちょっと引かれると思うし、パズル的なクイズは芸とは言えず、場にそぐわないだろう。誰か一人をターゲットにしてだますようなものも多く、値段分は楽しめなかった。
 ……と思って一度更新してから、念のため目次だけ読み返したら、それなりにちょっと面白いのもあったのを思い出した。実際に披露しても喜んでもらえないかもしれないけど(喜んでもらえるかもしれないけど)こういうセンスはちょっと笑える、とか、あれっこれはいいじゃんとか。本は大抵値段以上の価値はあると思っている私ですが、この本も値段分ぐらいは楽しめそうです。


 Amazonのカスタマーレビューで知ったのだけど、昔の本の焼き直しらしい。道理でやたら古く感じるわけだ。そういう、昔の雰囲気をもう一度味わいたい方にお勧め。ホイチョイ・プロダクションより昔の雰囲気。



 ここでは、『合コン・宴会芸大全』に載っていないが、確実に受けると思える「ネタ」を一つお伝えしたい。


 〈砂漠で、足が熱いので交互に足の上げ下げを繰り返すトカゲ*1の真似〉


 これは、なんとなくそういう生き物の存在を知っている人ならまず笑ってもらえる。だろうと思う。


 永遠を見つめているような、その刹那のみを生きているような、そういう視線を宙に投げかけるのがコツ。しばらく身じろぎもせず、ひょいっと足(四つ足)を切り換えると、それらしく見える。
 これは受ける受けない以前に、やっていて楽しい。その楽しさがきっと伝染していくはず。テンションを上げなくてもシュールに実行できてお手軽なところも嬉しいポイントだ。別に床に四つ足をつかなくても、立ったままでもできるし、テーブルがあれば十分対応可能だ。


 かなり古いが、エリマキトカゲが疾走しているところの真似〉でもいい。これは実際に走っている映像を見ておいたほうが真似しやすい(上肢と胴体の振り具合とか)。ただ、これは動きが大きいので、使いづらいと思う。あとエキサイトしている風にも見えるので、かなりやばく感じる人もいるかもしれない。生き物の知名度そのものは高いながらも、やや高度な芸と言えるだろう。


 最後、もう一つ話題をかませようと思っていたのだけど、あはれお風呂に入っている間に忘れてしまったことであるよ。


 この記事を見た皆さんが思い思いの場で試してご覧になることで、こうしたミームがのっぺりと広がっていき、私という存在が匿名性の海に埋没していくことを希望しています。

*1:トカゲ亜目というページによると、正確にはシャベルカナヘビやスナヤモリらしい