岡田英弘『世界史の誕生』
- 作者: 岡田英弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1999/08/01
- メディア: 文庫
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そもそも「世界史」という概念の誕生とその現在に至るまでの経緯をも説いて飽きさせない。飽きさせないというのは言いすぎで、コンパクトな中に多くの事柄が書かれているためやや羅列的な記述になっている部分は当然ある。そういった部分はやや飛ばし気味に目を通したが、全体としてたいへん面白く読んだ。細部にまで無理に因果関係を見いだして物語にしない方が誠実だと思うし。
モンゴル帝国によって「世界史」が始まった、という観点は知っていたが、この本の通りならばモンゴルの影響の大きさには改めて驚いた。東洋史と西洋史を通じた普遍的な時代区分の確立という発想が歴史認識を歪めている、という主張もその通りだと思う。また、中国の(昨今のだとか日本との関係ということでなしに、昔からの)史観についても新鮮な見方を知り納得した。
あまり時間もないしこの本に関してはこの程度にとどめたい。