非モテのために鐘は鳴る/「ノートルダムの鐘」


 非モテやモテについて考えている人は、ディズニーのアニメ映画「ノートルダムの鐘」をぜひ観てみてください。自分がモテだと思っている方、非モテだと思っている方、どちらにとっても深い余韻を残す映画だと思います。ディズニーの中でも異色な作品です。


ノートルダムの鐘 [DVD]

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 こじれてしまった非モテが、悪役のフロロー(だっけな?)。

 めげそうになりながらも筋を通し、人の幸せを優先できる孤独な非モテがカジモド(主人公)。

 ネアカでモテ、でもやや軽薄にも見えるのがフィーバス。


 当時差別されていたロマ人(いわゆるジプシー)と非モテを、(その身内での連帯を含めて)だぶらせて観るのもいいでしょう。
 喝采にもリンチにも急激に傾く、移り気な群衆の熱狂は古今東西変わらないと感じさせられます。


 この映画の結末は、ハッピーエンドとは言い切れないところに価値がある。普通のハッピーエンドよりもっとリアルな、その意味で真のハッピーエンド。


 小説には登場しなかったと思われるキャラクター、ガーゴイルたちは、現代ならさしづめネットで交流する顔も見えない人々になぞらえることができるでしょうね。その意味ではついに成功しなかった電車男、といってもいいかもしれません(もっと深刻ですが)。

 悲しいけれど、勇気を与えられる映画です。


 この映画のよさを書ききる筆力がないので、今までレビューしませんでした。でも書かないよりは、と思ってごく短く書いておきます。


 ざっと見渡した中ではノートルダムの鐘ノートルダムの鐘などに近い感想を持ちました。