リフォーム詐欺対策としてステッカーのようなものはどうだろう


 最近、一人暮らしなどのお年寄りを狙ったリフォーム詐欺のようなものが問題になっているらしい。時間がないのでメモ書き程度になるけど、少し思いついたことを書いてみようと思う。


 「我が家では子供(←「他の者」などの表現でも良い)に相談した上でなければ、訪問なさった業者の方と契約をいたしません」

 というようなステッカーを、玄関から入ってすぐなどの見やすい位置に貼っておくのはどうだろう。

  • 想定されるデメリット
    • もちろん、強引な業者は言葉の抜け穴を見つけて巧妙に騙すだろうし、親切を装って契約を結ぼうとする業者には、お年寄りの側もつい、(ステッカーにもかかわらず)他の人に相談せずにお金を払ってしまう危険はある。だから、リフォーム詐欺などの類の、判断力が衰えていてしかも寂しいお年寄りを狙った手口を完全に防げるわけではない。
    • また、そのようなステッカーを貼ることでかえって「この家の老人は判断力が衰えているのだな」との予断を与え、悪質業者がつけ込む余地を与えてしまうかもしれない。
  • デメリットをカバーできると考えられる点やメリット
    • しかし、ステッカーなどでこのように表示しておけば、親切を装っている業者ならば、ステッカーを無視した行動はとりづらくなる。お年寄りを守るステッカーを無視した行動をとると、お年寄りのためを思った親切ではないということが明らかになってしまうから。
    • また、あまりよくわからないがこうしたステッカーを予め貼っておけば裁判上も業者が不利になるのではないか。「相手の判断力の不足がわかっていて、あるいはこういう条件(=他の者に相談してからでないと契約しないという条件)に背いてあえて契約した」という間接的な証拠にできそうな気がする。だとすれば、業者も先回りしてそのことを念頭に置くだろうから、少しは自重するだろう。
       これは侵入窃盗を防ぐために防犯器具を誇示するのと似ていて、完全に防げないが、(後の)発覚や捕まることをおそれさせ、犯罪に出ること自体をためらわせるという効果はある程度期待できる。
    • それに、判断能力が心配なお年寄り以外の人の家庭でもどんどんこのようなステッカーを貼ることにすれば、「判断能力が衰えているのだな」との予断を与えることもない。あまりに多すぎて目くらましになるからだ。(この点はそれほど自信がないが)
    • さらにステッカーを指して「すみません、うちでは主人/子供に相談してからでないと決められないので、今回はパンフレットだけもらって/お話だけ伺って、買うのは/契約するのはまたの機会に」と口実にすることで、他の押し売りにも対処できるだろう。
  • もう一つデメリットが思いつくが、それは、この種のステッカーが増えていくことでやたらと家の中や(玄関に貼るなら→)都市の見栄えが悪くなること。(役所や駅などにはためく空疎なスローガンなどとは違うが、空疎なスローガンと似たものが出回ることはあまり好ましくはないと思う)ただこれはまあ質的に違うレベルの話ではある。


 名案とは思わないけど、お年寄りに注意を呼びかけて「啓蒙」する以外に何か対策ができるといいなと思う。始終他人の悪意に警戒しておくなんて、そんな緊張を強いられるのはちょっと不合理。
 スパムメール対策としてメールのフィルタリング・分類ツールが発達したように、〈自分で判断する一歩手前で何か防波堤や判断基準になるようなツール〉がシステム的に存在してくれた方がありがたい。


 ただ、ゲーム理論というか囚人のジレンマ的に考えても、他人を踏み台にして何か利益を吸い取ろうとするプレーヤーはどんな社会においても必ず存在する。リフォーム業界がそういうグループとどの程度関係が深いのかよくわからないが、仮にリフォーム業界についてそういうリスクを防いだとしても他の種類の詐欺は必ず出てくるわけで、「現状よりも少し、そういう悲劇を減らす」という構造的な改善はまた別個になされるべきなのだろう。社会全体として減らすことがはたして可能かどうかは疑問に思う。(よくしらないけど、ベンサムのいう「最大多数の最大幸福」というようなものの総量は人為的に増やせないものなのかもしれないというような意味。まあこれは今の気分的な問題もあるんだろうし、大きく間違っていると現時点でも思う。)

 だとしても、できる範囲では、最大限に、何か対策ができればよいと思う。できる範囲では。