はてなブックマークの変質と、「はてな」一利用者としての個人的な感慨

 雑多な記事をもう少し見やすく並べておきたいので、「続きを読む」を積極的に使っていくことにします。とりわけ「はてな」関連の話題についてはアグレッシブに。ここを閲覧している中には「はてな」というサービスの利用者以外の方もいらっしゃるので。

はてなブックマークにおける、中立的な意味での「コミュニケーションの活発化」

 はてなブックマークがデザイン編集機能を追加した。私は「[hatena]あーあ、だ。これでクリップのコメント欄さえオーディエンスを意識せざるを得なくなる。?Bの?D化」とブックマークのコメント欄に書いた

 これでアクセスカウンターが付けられるようになり、他の人の閲覧状況がわかるようになった。またあれこれのツールが利用可能になった。ただのWebページのクリップではなくなった。


 しばらく前、「はてなブックマークで自分がコメント欄に書くとき、他の人のコメントが先に見えてしまって気になるので隠せるようにしてほしい」というような話を見かけたけど、私の場合他の人のコメントが先に見えてしまうということはありません。
 むしろなんで?と思っていたのだけれど、他の人のコメントが先に見えてしまうというのは「この記事を含むブックマーク」のクリックからはてなブックマークに追加していたからなのでしょうね。
 私はブックマークレットからはてなブックマークにクリップしていたので。


 そんな感じで、はてなダイアリーよりもあまり人の目を気にせずに好きなことをコメント欄に記入していたのだけど、今回は近藤さんがブックマークがブログっぽくなりましたと書いてらっしゃる通りの大幅な変更。

 「あーあ、だ」というのはやや乱暴ですが、個人的にはただのブックマークとしての意義と使い勝手の良さを感じていただけに、残念と感じる気持ちもあります。

 そして「やや乱暴だけど」という点が実は一つのポイントだと思っています。全角50文字という短文の制約のおかげであまり整えずに書けるというのは大きな利点でした。はてなブックマークのそういう、独白のような気軽さが、今回の仕様変更によってやや損なわれる方向に向かっているという気がしないでもありません。

 はてなブックマークコメント欄でのコミュニケーションというのは隠微すぎて、しかもその性質上脊髄反射的かつ言いっぱなしになりがちなのであまり気が向かないのですが、これからはますますコミュニケーションを前提としたコメント欄記入が必要となるのでしょうね(個々人の感じ方や利用形態の問題にすぎないと言ってしまうこともできるでしょうけれど)。
 あまりにもソーシャルなソーシャルブックマークというのは息苦しい。

はてなブックマークを用いて行われた自分の記事へのレスポンスをどう確認するか

 話飛ぶけど、自分のはてなダイアリーの記事がはてなブックマークでクリップされたかどうかは皆さんどうやって確認してますか?私の場合、〈ある記事がクリップされたかどうか〉はhttp://d.hatena.ne.jp/summercontrail/ の エントリー一覧(新着順)RSSで見ているけど、〈既にクリップされている記事が新たに(別のユーザーに)クリップの対象にされたかどうか〉は把握していないので……あ、そうか、この「エントリー一覧」のページをはてなアンテナに登録すればいいのかな。と自問自答、セルフ納得。合ってるかわからんが。

気軽に利用できるという良さ

 話を戻して、あまり確認せずにおおざっぱなことを書きますが、以前のインタビュー記事などを読む限り〈一生活者が言葉を淡々と記していく場としての「はてな」〉というような視点が、元々はてなのスタッフの方々の中にはあったと思います(表現はこの通りではなかったと思いますが)。
 それがこうしてどんどんと複雑な用法が導入され、自由度が増し、(それにつれて自然発生的に生まれた)いわば見えないローカルルールが拡大していくにつれ、「普通の」人がそうした何気ない場として利用することは次第に困難になっていくように思います。

 もちろん、「はてな」とその利用者グループがある種の集積された知性としてフロンティアを切り開いているという意義も大きいと理解しています(厳密には「はてなが集積した知性」ということと「フロンティアを切り開いている」というのはそれぞれ別の話題として大きく展開できる話ですが)。また、はてなだけでなく日本のネット利用形態そのものが不可避的に変容していくのでしょう。
 そうしたことはわかっているし、私が何か今回の仕様変更よりも確実にベターな案を持っているわけではないけれど、ただ、(気軽にいろいろな話題について、あるいはじっくりと一つの事柄について、ものを書き続けていくということがだんだんと困難になってきたなあ)という感慨を抱いていることはここに記録しておきたいと思いました。

アクセス・コントロール関係

 ここで思い出したのですが、id:yukattiさんが最近[web][hatena] アクセス・コントロールのための二つの方法とその性質の違い(アクセス・コントロールに関するメモ1)[web][hatena] 記事別にアクセス・コントロールできる日記のポジティブな使い方具体例(アクセス・コントロールに関するメモ2)などで論点を整理されています。
 私は一つの場≒サービスにおける記事毎のアクセス・コントロールが可能になることを基本的に望んでいます。これは、設定関係が更に複雑になるという意味ではこの記事のここまでの文章と矛盾するようですが、そうではなく、〈自分の書く文章がすべて一連なりとなって絡め取られる息苦しさから逃れる術を持っていたい〉というようなことです。

 具体的にははてなグループという選択肢があるじゃないか、という批判もあるでしょうけど、なぜだか感覚としてははてなグループはてなダイアリーとは別物なんですよね。現状では選択肢になり得ていない。ただ、はてなグループの便利な使い方が模索されるだとか、あるいははてなグループの仕様が変わって、十分検討に値する手段となるようならそれでもかまわないのでしょう。この段落については深く考えを煮詰めているわけではないので曖昧ですみません。