人に本をあげる難しさ

 この日には親しい人に本をプレゼントしよう、ということでサン・ジョルディの日というのが日本に紹介されましたが、今ひとつ根付いているとは思えません。4月29日だったかな?……(検索中)……4月23日みたいです。


 この記念日が根付かないのも、単に読書の習慣がそれほど一般的ではないからというだけではなく、人に本をあげることには特有の難しさがあるからなのでしょう。

 文章は人の考え方そのものを表すだけに、文章で成り立っている書籍を贈ることは、贈り手の考えや趣味を表明することでもあります。またもらう側に対する(「あの人にはこういうものが似合うだろう」という)視線をはっきりと示してしまいます。自分と相手の内面に立ち入ってしまうので、それ自体が無礼にも押しつけにもなりかねません。

 なので、プレゼントには自信がある(笑)私も、贈り物に本を選んだことはあまりありません。

 それが、先日予期せず友だちから本をもらったのですが、そのセンスの良さには正直驚きました。
阿刀田高 編『ショートショートの広場15』

ショートショートの広場〈15〉 (講談社文庫)

ショートショートの広場〈15〉 (講談社文庫)


 雑誌「小説現代」に発表されたアマチュアショートショートの作品集。アマチュアの投稿の中から選ばれているだけに作品の質はある程度揃っているし、一つ一つの作品はごく短いので気軽に読め、そのひねりやウィットににやりとさせられます。
 この本の時点で「15」まであるので、贈る相手が万が一このシリーズを読んだことがあっても、数字をばらつかせれば重複する心配もあまりしないですみます。


 このブックカバーと一緒にもらいました。

 

 もともとハンドメイドのブックカバーを作ってくれるとは聞いていたものの、カバーに本を入れて一緒にくれるとは思っていなかったので余計に嬉しかったのかもしれません。ふだん本の話とかしたことなかったし。
 しかも、話が前後しますが、ブックカバーの柄が斬新。二重三重に「なんじゃこりゃ〜!!」

 ゃぃ、ありがと。