森下典子『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』
これ、たいへんよい本でした。
- 作者: 森下典子
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2002/01/07
- メディア: 単行本
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極東ブログ: 花びら餅で知ったのだったかな。1時間ほどで読んだのだけど、たいへん読みやすい。といっても内容が薄いということではなく、よく練られた文章で、すっと心に入ってくる。後書きによると、この倍以上の分量を書いてから削ったそうです。
各章のタイトルがきちんと内容と対応しているのもわかりやすさの理由だと感じました。
著者の感じた雨の匂い、絶え間ないわずかな季節の移り変わり、そうしたものが読者の私にも伝わってきます。
日日是好日、どんな日であってもそれはよい日だということ。結婚を目前にしたひどい失恋、父の死、お茶を習うのをやめようと思ったとき、そうした一つ一つの出来事をそのまま受けとめて自然体で生きる助けとなり、喜びとなったお茶。お茶の先生の細やかな思いやり。人生の長い時間を生きるということ。
厳格な作法に従って無心に動く中でこそ自由になれる、その瞬間の楽しさ。
私もお茶を習いたくなりました。