血液型と星座と疑似科学、統計の「ウソ」、情報リテラシー

「血液型」番組渋谷系@はてなより)

<血液型番組>「性格決めつけ」視聴者から抗議相次ぐ
についての記事。

だからこれってあんま真面目に議論する対象じゃない!
こういうもんは、逆手にとって自己演出して遊べるくらいじゃないと
まーそうは言っても、いつもそればっかじゃまずいから
たまにきちんと内容の検討して見せるくらいの真面目さがあれば
それで十分だと思うんだけど

(引用にあたり、二重の改行がある箇所をそれぞれ一つにしました)


 その通りなんだけど、ただそれは向ける相手が違うようには思います。血液型占いを真に受けて、他人や自分を決めつける人がいる。また実際にそれで否定的な評価を断定的に言われ続けて、悲しい思いをし続けている人もいる。人間の判断力はそれほど自由ではない。事実としてはそれが先に来るんですよ。
 だから、「抗議する人が番組の内容を馬鹿正直に真に受けている」というよりも、「馬鹿正直に真に受ける人が実際に多いから、もう少し内容に気をつけて欲しいという抗議が来る」のだと思う。だから抗議は方向性として妥当なんじゃないかな。


 「あるある大事典」とかが、大げさに面白おかしく作った、スポンサーのための半分やらせの番組(参照)ということは私はわかっていますが、わかっていない人が大半。わかっていない人を罵るんじゃなくて、わかっていない人がいるんだからそういう人に配慮しなければ。


 たとえば、星座別に見た交通事故の特徴という徳島県警のページがある。「決して星占いではありません。」と書いてあるけど、これは星占い(非科学的)でしょ。だって、星座ごとにあきらかに事故件数に違いがあるように見えるけど、星座ごとの人数の違いが計算に入ってないから

 説明するのが面倒なんだけど、たとえば、「すべての交通事故のうち、血液型がRH-の人の事故の割合は極端に少ない」→「RH-の人は事故を起こしにくい。これは血液型占いではありません」と言っているようなもの。

 誕生日の時期にはかなりのばらつきがある。妊娠・出産時期自体にかなりのばらつきがあるから(職場の年間スケジュールや結婚式の時期などとの関係で)。だから星座ごとの人数を計算に入れないと、統計としてほとんど意味がない。たとえば100人中の12人と200人中の16人では意味が違う。

 もちろん徳島県警としては「どの星座の人は事故を起こしにくい」とまで書いていないけど、「時間帯別」「曜日別」「事故類型別」「違反別(第1当事者)」とそれぞれ星座別にさぞ意味があるかのように、詳しく表を作っているのはどういう意味があるのだろう。「特徴」として星座という切り口を用いるのはあきらかにミスリーディング。税金でもっと他の役に立つ仕事をして欲しいもんだ。

 この徳島県警のページについて批判的にとりあげているところが今まで見あたらないこともあり、例として書いておきます。