他の方のレビューをメモ+リーヴの本を少し

※ 他の方のレビューを取りあげるときも[レビュー]のカテゴリーに含めていたりします。

[book] マイクル・コナリー、エルロイ香雪ジャーナルより)

さてわたし自身はというとハードボイルドの古典(?)に関しては有名作品を一通り読み、文学史的な知識も一通り勉強してみた程度の人間であるので以下は乏しい知識から書くものに過ぎないが、マイクル・コナリーについてはレイモンド・チャンドラーに興味を持って作家になったそうで、特に初期作品ではリスペクト?という感じにチャンドラーの影響というかネタがぼろぼろ出てくるわ、チャンドラー論も講演しているくらいでもあり、チャンドラー的ハードボイルドのストレートな後継者としてはやっぱり名前を挙げておきたいなと考えた

対してジェイムズ・エルロイはそれよりもっと広くて、もはやエルロイならではの文学を生み出しているのではないだろうか

 なるほどー。このあたりの分野は、私はチャンドラーを2冊読んだ程度なので皆目わからないな。香雪の2文字をATOKで前に登録したし、yukattiさんを頼りに手探りだな。
 ハードボイルドな在り方には、むしろ透徹するような視点を持つSFを通して出会ってきたように思う。あとはパーネル・ホールの『探偵になりたい』がおもしろかった(これは単純にタイトルのおもしろさで選んで読んだ。同じシリーズで『撃たれると痛い』などもあったので)。

パーネル・ホール『探偵になりたい』

探偵になりたい (ハヤカワ・ミステリ文庫)

探偵になりたい (ハヤカワ・ミステリ文庫)


 さらにメモ。
私はフィリップ・マーロウの魅力を最近発見した、ハードボイルド初級者です。ダシール・ハメットの「マルタの鷹」もゆっくり読み直してみると、本当に面白く感じて自分でも驚いています。こんな私が読むべき名作を薦めてください。海外の作品限定です。人力検索はてなの質問と回答)


 ……ただ、ハードボイルドな生き方ってかなりつらいでしょ。これでもだいぶ自分のことも人のことも言わずに黙っているつもりだけど。
 あまり世の中のダークな面、ダーティーな面には触れない方がいいようにも思うし、他人にも触れさせない方がいいようにも最近思うようになった。啓蒙とかほぼ無意味だし。その無力感からはじめるとか、そこから立ち上がるなんて、ね。そんな困難にいったい人は耐えられるのかという。投げたくはないけど。

 みたいな徒労感をクリストファー・リーヴの本はだいぶ慰め、力づけてくれそうだ。まだ全然読んでいないのでレビューは先にするけど、「第二章 ユーモア」から少しだけ引用。ちなみにウィルというのはリーヴの息子さんで、この時点で9歳ぐらいだろうか。

からかわれることで、心は安まるものなのだ。お気に入りは、食卓につこうとしてしばしば車椅子をテーブルにぶつけてしまうとき、ウィルが「イカれたドライバーがくるよ、気をつけて」などといって、自分の皿を持ち上げるシーンだ。

 その少し前にはこうある。

今や、私は話せるようになり、晴れてユーモアの好餌となった。まず自分で試してみたのはこうだ。
看護士:朝、病室にやってきて「ご気分はいかが?」
私:「そうだな、喉がちょっとイガイガしていてね。鼻はかゆいし、爪も切らないと。あ、それから、身体が麻痺しちゃっててね」

 まだちゃんと読んでいないこともあり、彼の信仰には少し留保をつけている(真っ向から反対などではなく、文字通り留保)のだが、得られるものは大きそうだ。