世阿弥『風姿花伝』の目次のようなもの

世阿弥風姿花伝』(岩波文庫ISBN:4003300114)を読み終わりました。

 少し要約のようなものを作ってみましたが、いつもにもまして投げやりな出来なのでくれぐれもご注意ください。あくまでここをご覧のかたの興味を引くためだけのものです。

内容を端折りまくりです。要約しづらいので大きく省いたところもあります。原文と私なりの要約文が入り混じり、旧漢字と新漢字に直したところが混じっており、多分に独自の解釈が入っています。述語は推敲していません。解釈も吟味していません。

以上を十分ご承知の上で、ご覧ください。

    • 由来
    • 戒め
  1. 第一 年來稽古條々
    • 年齢・成長過程に応じた能の稽古の具体的な心得
  2. 第二 物學條々
    • 物まねのこつ(女、老人、直面、物狂、法師、修羅、神、鬼、唐事)
  3. 第三 問答條々
    • Q&A。花、「位」、文字に當る風情、当日の天候・時間帯・場の雰囲気に合わせて能をなすことの必要性
  4. 第四 神儀云
    • 能の由来、いわれ
  5. 第五 奥義讃歎云
    • 物まねも幽玄もどちらから始めても到達点は同じ。風體を漏らさずマスターすること。
    • 鑑賞眼が高い人には下手な能は面白くない。同様に鑑賞眼が低い人には上手な能は面白くないが、鑑賞眼が低い人にも面白くなるように能をすべきだ。
    • あらゆるスタイルを身につけよ。かといって自分のスタイルをおろそかにするな。一つを身につけなければ他のスタイルとの違いもわからない。
  6. 第六 花修云
    • 脚本・台詞・音曲について。風體・つめ所・幽玄、この3つが揃うとよい。ただつまらないものも演者によっては面白くもなる。
    • 強さ・幽玄、弱さ・荒さの分け目をはっきりさせる。たとえば強くすべき所を幽玄にしようとすると弱くなる。弱さや荒さは、物まねから外れている。
  7. 第七 別紙口傅
    • 花とたとえる理由。花と面白さと珍しさは同じ心。
    • 音曲、舞、働き、振り、風情も同じ心。
    • その物になると、似せようとすら思わなくなる。たとえば老人を演じているとき、老人を演じようと思わず、老人の気持ちで動き回ることになるからむしろ若ぶった動きになる。


少し感想めいたことを書くとすると、「祕すれば花、祕せねば花なるべからず」という言葉の具体的な意味も文脈に沿って理解でき、おいしゅうございましたといったところでしょうか。

どうおいしかったかって?それはほれ、祕せねば花なるべからず、となり。
そもそも「家の大事、一代一人の相傅なり。たとひ一子たりと云ふとも、無器量の者には傅ふべから」ざるものとして伝えられている書物ですから。

とりわけ「第一 年來稽古條々」や「第三」「第五」「第七」など、別の機会に読み返せばまた別の感慨もありそうな本でした。『風姿花伝』。

あまりレビューっぽくなくてすみません。まあ紹介と感想ということで。