『新渡戸稲造論集』

 去年ぐらいからかな、めっきり稲造づいている。自警録 (講談社学術文庫)もおもしろかったし、修養 (タチバナ教養文庫)は分厚めなのに毎日バッグに入れて電車や出先で読んでいた。
 現代からすればやや硬い表現もあるが、この2冊については新渡戸先生がなるべく伝わりやすいようにと砕いた表現を心がけてくださっているようで、昔の人の文章にしては読みやすい。失敗談も多い。まあ、私は元々文章を味わう感覚がやや古いようにも思うけど、個人的にはぐいぐいと読んでいた。時期的に、自分の中のそういうニーズに駆り立てられていた感もある。

 で、『新渡戸稲造論集』なんだけど、これは今のところそれほどは引き込まれていない。教育についての話ばかりというせいもあるかな。それでなくても最近心を落ち着けて本を読む生活がなかなかできなくなっている感じがあるので、そのせいもあるかもしれない。
 この落ち着かない感じは、自己啓発などを含めた広い意味での実用書ばかり大量に併読していることも多分一因で、フィクションとか趣味の読書も楽しみたいんだけど、なかなか今のプロジェクトが一段落しないことには。(といっても、次から次へとやることは湧いてくるんだけどね。)

 ともあれ、論集、また読み終わったら感想書くかも。

新渡戸稲造論集 (岩波文庫)

新渡戸稲造論集 (岩波文庫)

追記:残りを読んだらなかなかどうして、やっぱり面白かった。「武士道」という言葉の事実上最初の提唱者でありながら、武士道という言葉との距離感とか、「平民道」の提唱とか、そのほか色々。