鉄人28号


 DISC 3に収録されている第十一回「超人間・ケリーの最後」を観て泣いてしまった。戦争のない世界への思いと、まだ死ねないという感覚。

鉄人28号 DVD-BOX (期間限定生産)

鉄人28号 DVD-BOX (期間限定生産)

 宇宙に対する思いは『バビロニア・ウェーブ』に近いという気がふとした。

バビロニア・ウェーブ

バビロニア・ウェーブ

 もっとも『バビロニア・ウェーブ』は作品全体が、人から距離を置きたい、誰もいない世界に行きたいという冷めた(それでいて切実な)願望の表れのようなところがある。同じ思いをもつある人に、心の中で呼びかけながら満足して死んでいったケリーとは違うな。

 「ガタカ」という映画の雰囲気が私は好きなのだけど、ケリーの最期はその映画の中のあるエピソードにも通じるところがある。ただ、全然違う。

ガタカ [DVD]

ガタカ [DVD]

 ケリーの最期は、もっと純粋な、満天の星空を見上げたときの喜び。それと、これで自分はもうやることをやった、達成したという深い達成感。それまでは死ねないという強い思いは、根源的な部分にprintされたものというか、あまり露骨にいうべきものでもないだろうけど。たとえば小説『バトルランナー』の主人公のような、死を目前にしていても、どうしようもなく自分を安らがせずに突き動かすもの。

 ちなみに、映画のほうの「バトルランナー」は途中から小説とは全然違う筋になってしまっている。

バトルランナー [DVD]

バトルランナー [DVD]