山本七平『山本七平の日本の歴史』(上巻)
なんか自分の中の怒りというか悲しみというかそれをもてあましている。これが夜なら自制して寝ようとするのだけど、さわやかな朝なのでそういうバイアスはかかっていないという自由さのもとに、でも全然違う話題を書くことで圧を逃がしたい。イメージとしては宮沢章夫の感じで。
昨日『山本七平の日本の歴史』の上巻を読み終わった。
- 作者: 山本七平
- 出版社/メーカー: ビジネス社
- 発売日: 2005/02
- メディア: 単行本
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初めの方で夏目漱石の『こころ』が出てきたのがあまり意味が分からず、その解釈についてもアクロバティックな論理の運びというか説明が理解しづらく少し困難を感じた。
- あら素敵今日のあなたのパンタロン 左近
だが後半で「なるほどそうつながるのか」と巧い推理小説を読んだような爽快感を味わい、同時にそのつながりをはっきり書かれるまで理解できず、〈書き手の感性が走ってあまりロジカルでない文章〉という感触を感じていた自分の読み手としての姿勢を、ちょっと反省した。
- やや混んだ電車で光る思いやり 左近
はてなブックマーク - こころ世代のテンノーゲーム - 優生からの物体Yに、
というコメントを書いたが、そういう点も、まだまだ不勉強な私にとっては新鮮で新しい視点を得た思いがした。
『神皇正統記』についての本をちょうどさっき読んでいたんだけど,『神皇正統記』自体はむしろ天皇制万歳右翼にとってはかなり都合の悪い書物なんですよね
- あくびが移るおかしさとあくびをかみ殺す 左近
右翼だとかなんだとか的外れな批判を受けた痛みがユーモアとなって現れているような部分も、随所にあった。こういう箇所は山本七平の他の本にもあって、読むと、何かどこかの筋肉が萎縮してしまっているのを見るような「痛さ」を感じるが、私はそちら側の人間なので、自分のことのように同情と共感を覚える。
- 晴れた朝土へと急ぐみみずさん 左近
というわけで、書名に反して意外な収穫と読む楽しみを得られた本でした。
今朝はここで時間切れとなりました。