了解の方法


 先ほど、首筋というか背中をかなり痛めた。いたいいたい。

 だんだん落ち着いてきたのだが、作業に戻るにはちょっと無理があるぐらいの痛さとやばさなので(骨ずれたりしてないかな……)、くだらない記事でも書いて気を紛らわせようと思う。お茶を飲んで紛らわせるのは失敗しました。


 メールなどで事務的な連絡や提案を受けることは皆さんもおありかと思う。

 毎回「了解」「了解しました」「了解です」と書いていて、これはいかがなものだろうという思いが頭をもたげてこないだろうか。
 あまりに決まり文句なので相手にメールを読む楽しみを失わせてしまってはいないか、マンネリズムに陥ってはいないか。事務的な連絡であろうとも、私の中で必要以上にあふれるサービス精神がそれをよしとしない。


 そんなこんなで、私はさまざまなバリエーションでごく短く「了解」と伝える。まあ、黙ってもう少しおつきあいいただきたい。

了解
 普通。
領海
 これもまあ普通だろう。わが国固有の領土の大切さを訴えつつ、という秘められたメッセージはとくにない。
業界
 内輪でしか通じない用語を使う特権意識にまみれた閉鎖的な共同体を意識しながら。(「業界」という用語で了解の意を伝えるというのも内輪の用語のようだが、内輪の用語ではなく私がひとりで勝手に使っているだけ)
老獪(ろうかい)
 腹芸の功罪についてしばし思いをはせるとき。
琉球
 はるかな潮風に吹かれながらその歴史を思いつつ。カラオケの画面ではエイサーとかが、というイメージ。これが「了解」としてちゃんと相手に通じていることに、われながら驚きを禁じ得ない。
りやうくわい
 とくに芸もなく、旧仮名遣いで老人気どり。老獪にも通ずる味わい。
老害
 社会の高齢化は想像以上のスピードで進展しているんだよ、というメッセージとともに。
量かい
 質よりも量なのかい?という悲痛な叫び。どこが悲痛なのかはよくわからないが、今書いていてなんとなく。
両替
 コンビニなどのレジで「チェンジ、チェンジ」と迫って小銭を誤魔化し脅すというちんけな詐欺があったなあ。対策が進んだし、減ったんだろうなあ。と思いつつ入力することが多い。これも「了解」として通じた。
溶解
 すてきなはちみつのようにとけてゆく、了解したという思い。
妖怪
 「なんか、こわい」と返ってきたように記憶している。そりゃあ怖いさ、人間妖怪だもの。
紹介
 これで「了解しました」という意味として通じるからすごい。
場外
 ホーム・ラン!


 だいたい順不同。もれがあるようにも感じるのだが、現時点では以上しか思い出せない。背中痛いし。
 なお、カテゴリーとしては[空想]だが、実際に使ったことのあるものばかりなのでその点には留意されたい。


 ちなみに私が恥ずかしくて使ったことがないのは「ラジャりましたー!」とか。一度使ってみたいのは「トレジャー!プレジャー!ブラジャ〜!」。B'zファンに言ったら怒られるかな、爆笑してもらえるかな、とワクワクしながら機会を待っている。死ぬまでには一回ぐらいあるかなと思う。

 これと同じような、たたみかけるような了承の意向の表現といえば、『どろぼうがっこう』の「「はーい」「へーい」「ほーい」「わかりやしたー」「がってんでござんす」も捨てがたい。

どろぼう がっこう (かこさとし おはなしのほん( 4))

どろぼう がっこう (かこさとし おはなしのほん( 4))

 ただ、たたみかけるように了承の意向を表現していい場合というのがなかなかないので、これもたしか使ってみたことがない。投げやりに、かつ情熱的に返事したいときにはいいだろう。嫌われるのを覚悟で。


 了解した、ということを伝えるだけなのに、そこに無駄に込められたあほな愛。『痴人の愛』って読んだことないけど、ある意味痴人の愛。もちろん「知人」の愛でもある。はー、背中いたい……。

痴人の愛 (新潮文庫)

痴人の愛 (新潮文庫)


 皆さんも上記を参考にしてぜひクリエイティブな応答をなさってはいかがだろうか。これをきっかけに日本にむやみに「琉球」「両替」などという返事が少しでも増えると、ちょっと楽しい。元ネタがこのサイトだ、ということもとくに付言なさらずともかまわない。くだらないことをおもしろそうに言っている自分を楽しんでいるあほ、という複雑なおもしろキャラクターを楽しんでほしい。
 もちろん、相手や状況、立場を考慮した上で「承知いたしました」「御意*1」と答えるなど、臨機応変な判断をされたい。わかりましたか。

*1:あ、「御意」も了解の意味で書いたことあった。まあ今回はだじゃれメインってことで