情報過多、『心身自在』『癒す心、治る力』
マルチタスクで人間の知力が低下する?--情報化時代のアイロニー - CNET Japan
これ、id:borgcollectiveさんの「拷問部屋」で読んでクリップしようと思ったら、既にクリップしてた。。しかもご丁寧に「ためしてガッテンがぼけ防止に「ながら作業」をすすめていることとの関連は?」とのコメントまでつけてたのに、まるっきり忘れてた。……私の知力、低下してる?(笑)
今回はてなブックマークのコメント欄に書こうとしていたのは、「情報の過剰な負荷によるADDに似た注意力欠如特質(Attention Deficit Trait:ADT)」。
以前、たしか朝日新聞の書評欄で知ったのだったと思うけど、〈人類の脳はかつて体験したことのないほどの情報にさらされている。この情報過多は到底処理の可能なレベルとは思えず、脳を含めた身体や脳の処理の仕方が何か変質・変容していることが強く予測される〉というような内容の本を知って、たしかにそうかもしれないと強く納得したことがありました。あれはもう何年も前だったな。
その本らしき本にたまたまネットで遭遇して「この本だったか」と思い書いた記憶があったので今「夏のひこうき雲」を検索してみたんだけど……なかった。やっぱり私の知力、低下してる?(笑)
話を戻して、元記事(CNETのインタビュー)はわれわれは、活動を停止し思考するための時間をとっておく必要があります
としている。
で、浮雲のコメント欄に書いたとおり、「ためしてガッテン」ではボケ防止に「ながら作業」を奨めているんですよね。
ためしてガッテン:過去の放送:死者1万人! 家庭内のうっかり事故徹底対策
これは、単純に情報処理のスレッドが多すぎても少なすぎても脳の健康によくないという当たり前のことを示唆しているにすぎないのかな、とも思うのだけれど、
人間の脳は本当の意味でのマルチタスクなどできません。同時に2つの事柄に注意を向けることは不可能です。ただ、2つの対象の間を行ったり来たりしているだけです。そして、結局はどちらにもきちんとした注意を向けていない、ということになってしまいます。
うーん。結局、
マルチタスクの状態では、アドレナリンが身体中を駆けめぐり、集中力が高まります。つまり、本当は普段より集中していて、何か刺激を受ける度毎にその対象に短時間だけ注意を傾けている・・・ただそれだけのことです。
この状態がある限界を超えて続くと、Dr. Edward Hallowellが言うところの「ADD」になってしまうということなのかな。アドレナリンが過剰に分泌され続けると、それに慣れてしまい、アドレナリンが切れたときに無気力状態になる……というような仕組みが頭に浮かんだけど、まあこういうのはきちんと検証してみないと何とも言えない(既に検証されているかもしれないけど)。
話を戻して、拷問部屋 昨日の問題の対処についてでも触れられている、
ただし、いったん問題を突き止めてしまえば、それに対処するのはそれほど難しくありません。いくつかの上限を設け、考えるための時間をとるようにすればいいのです。Warren Buffettは、ちっぽけなオフィスに座って、ただ考えることだけに多くの時間を費やしています。われわれは、考える機会を自らに与えていないだけです。
賢い企業は、そろそろこの問題に気付いていると思います。
- すぐに思い浮かぶ例はありますか。
ニューヨークのある巨大ファンドの経営者と話をしていた時のことです。彼は、従業員に対し、1カ月のうち何日か「考える日」をつくるよう求めていると言いました。従業員はその日になると、職場を離れて、どこか別の場所に行き、ただひたすら考える、というのです。電子メールも携帯電話も持たず、連絡が取りたくても取れないようにするよう従業員に言っているそうです。これは非常に賢明な経営戦略だと思います。
といった対処法は、アンドルー・ワイルが『心身自在』や『癒す心、治る力』などで述べている「ニュース断ち」にあたるものですね。
- 作者: アンドルーワイル,Andrew Weil,上野圭一
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『心身自在』122頁から。
世界が今どうなっているかを知らなくてもいいというわけではない。だが、ニュースを気にするという習慣は不安や怒りなど、治癒系をさまたげるこころの状態の原因になりがちだということを知っていただきたいのだ。わたしはこれまで、からだに栄養を与えるための数かずの方法についてアドバイスしてきた。ここで「栄養」という概念をさらにひろげて、意識にあたえる栄養についてもよく考えていただきたい。意識の栄養補給に不慣れな人は、気づかないうちに膨大なこころの「ジャンクフード」(高カロリーだが栄養にならないスナック食品)を摂取してしまっている。「八週間プログラム」でわたしが「ニュース断ち」をすすめるのは、あなたが力を持っていることに気づいてほしいからだ。その力とは、なにをどのぐらい、自分の心身に摂取するかを自分できめる力である。
と、ここまで引用しながら極東ブログ: 健康のためのエントリー休刊日のことを思い出した。あまり詳しくはないけど関連して参考になると思います。
なお、話が飛び筋がわかりづらくなって申し訳ないのですが、『心身自在』『癒す心、治る力』の時点でアンドルー・ワイル博士が述べているビタミンCやビタミンEの大量摂取は、ほどほどにしたほうがよいようです(参照:知識の泉 Haru’s トリビア ★ビタミンC流儀・・・・効果的な飲み方、新情報 o(-_-;*)、知識の泉 Haru’s トリビア ★厚生省の許容上限は見直しか?⇒ビタミンEー1日400IU以上は有害という結果)
ただ基本的には、心身の健康を増進したい方にアンドルーワイル博士の上の2冊はおすすめできます。