地獄八景獣人戯

　 [レビュー][空想][雑記]　あんTAGATTA　ドッコサ ヘキサエン酸で昔、ドクター・モロー兼黄門さまご一行が魔界を旅するというパンキッシュでグロテスクな小説に「デオキシリボ格さん」がいた。と書いたけどたぶんそれだと思う小説を思い出した。

　田中啓文『蹴りたい田中』

蹴りたい田中 (ハヤカワ文庫 JA)

　この短編集所収の「地獄八景獣人戯（じごくはっけいけものびとのたわむれ）」、これです。ただ、『蹴りたい田中』は読んでいないので、以前の別の本に掲載されていたのだと思う。

　かなり毒の強いユーモアを含んでいるので、そういうのがお好きな方にはお勧めします。書き出しはたしか「ばっばばばばばば　ばっばばばばばば」みたいな感じだったな。

　この『蹴りたい田中』、帯には「茶川賞受賞！」と書いてあるらしい。芥川ではなく「茶」川です。「４１歳の瑞々しい感性が描く青春群像」。傑作。