ラディカル頭脳パワー
私が魔法戦隊マジレンジャーについて静かに考えていたのは、そう遠い昔のことではない。
- 戦闘の後は反省会
- 巨大ロボットの予算維持のため毎年永田町や霞ヶ関に陳情へ
- 悪者への怒りは背中だけで表現
- 敵にも毎回名刺交換を試みる。無視されても無視されてもめげずに一度は差し出す
- 必殺技が地味な関節技。これがなかなか効く
- 敵に勝っても小さくガッツするだけ
- 番組のBGMがクラシック
- 無口
- 無愛想
- 無趣味
- カレーが好きな黄色レンジャーも、つい他の隊員への遠慮が先に立ってしまい、おいしいと喜ぶ声がいつも遠慮がち
- 平和なときは仏壇の前で悪の組織に殺された人たちの供養にひたすら励む
- そうでなければ宙の一点を見つめたまま素早くコスチュームを繕っている
- そういうひとにわたしはなりたい
リズムに乗ってつい書いてしまったが、もちろん最後の一行は真っ赤な嘘だ。個人的には、上の項目の中では「無趣味」がたいへんわびしくて好きだ。
これを公開しなかったのは、ひとえにテーマパーク4096の法師丸さんがマジレンジャーについて書いていらしたのを読んで、私もたいへん楽しみ、それで満足してしまったことによる(今年3月23日の【コラム 息切れ】をご覧ください)。むべなるかな。「むべなるかな」という言葉の意味がよくわかっていないのだが、ここではひとつむべなるかなと言ってみたい。
じつは別のマジレンジャーも考えていた。
「やばくね?マジやばくね?」「マジでマジで」
マジカルな会話を交わす、おつむの軽いレンジャーたち。マジ軽頭脳パワーで悪を倒せ!
これがボツになったのは、まあ、納得していただけると思う。
まあ、テーマパーク4096がたとえようのないおかしみを持っているのはたしかなので、万が一ご存じでないかたはご覧になっていただきたい。
他にも「もうちょっとかわいげのあることは言えないもんかね!」と言われて「さくらんぼ!」「手乗り文鳥!」と言い返す奥さまの話など、この楽しさを正直どうしてくれようかと時折考える。どうしてくれるかというと、まあ、こうしてときどき紹介させていただくわけなのだが。