読みかけ『万物理論』

 さっき読み始めてまだ真ん中ぐらい。以下少しあらすじに触れるので、読みたい人だけどうぞ。

 この先の予想だけど、人間宇宙論にいう〈基石〉となる人が一人である必要はない、ように思う。ある特定の万物理論が(当否は別として)、一人によって提唱されるとは限らないわけだし(むしろ共同研究の方が多そう)。それにヒトという単位に依存していると考える必然性はないような。既にどこかで他の知的生命体が“発見”していて、宇宙は静かにその理論通り結晶しているのかもしれない、過去も現在もその理論によって置き換えられているのかもしれない。

 そのあたりは巧妙に今の段階では避けられているのかな。それとも今後の展開には関係ない部分なのだろうか。

 で、予想の話に戻ると、〈基石〉はすべての人間、あるいは生き物であって、その考え方がそれぞれの影響力を有し微弱ながら周囲に働きかけていて、その相互作用と生物学的相にもなぞらえられる有り様は……とか、そうではなく各個人が実はパラレルユニバース……などという予想だと、ただの以前の〈アトラクタ〉の短編(後で気が向いたらタイトル探そう→『祈りの海』の「放浪者の軌道」でした)を敷衍しただけにも思えるけど、各所での絶賛ぶりはそれのレベルを超えているし。

 ま、もう少し読んでみます。イーガンの小説は、とくに終わり方など小説らしくないので、そのへんも覚悟しつつ。いや別に私はああいう(小説らしくない)ところは嫌いじゃないんだけど。