セネカいわく、我々を不幸にする最大の要因は


 雑誌の「ニューズウィーク 日本版」を定期購読している。先日、雑誌とともにTOPPOINTという情報誌の紹介が同封されていた。

 「一読の価値ある新刊書」を紹介するらしい。ふーん、でもブログで間に合うから私は別にいいや、別に新刊書にこだわらないし、と思いながら仕分けていたら、紹介文が面白かったのでここに一部引用します。


今から2000年も前に、哲学者セネカは、「我々を不幸にする最大の要因」は、
次の2点だと喝破しています。

世論に同調すること
道理に従って生きるのではなく、模倣に従って生きること

 岩波文庫『人生の短さについて』に載っているらしい。セネカのおっさんいいこと言うなと思ったので、ご紹介しておきます。


生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)


 言い換えれば(対偶をとろうとするなら)「世論に同調せず、模倣に従わず、道理に従って生きれば、我々は不幸の最大の要因から自由でいられる」ということか。


 これは別にいい子ぶって道徳を説く姿勢からというだけではない。自分の生き方を自分がコントロールでき、自分を自分でDriveしていれば、それは大きな幸福だと思う。
 自分で自分をDriveするからといって、そこに一貫した基準がなければ、刹那的な生理的衝動によってあっちにいったりこっちにいったりで徒労感を覚えるにすぎない。だからDriveにはルールが必要だ、ゲームにルールが必要なように。それを道理と呼ぶにすぎないのだと思う、ある意味では。

 左側通行という世論の中でときどき右側を走ってみせることで世論に同調していないことを示そうと頑張る人もいるが、それもまた不幸だ。対向車のほとんどが右側を走ってくるという状況の中では、左側を走ることが「道理」だというだけ。


 「我々」というと宇宙人の一人称複数代名詞として有名ですが。