震災に遭ったパキスタンのその後


 そういえばネットであまりパキスタン地震の話題を見ない。私が見ているところが偏っているのかもしれないけど、そういえばその後どうなっているのだろうと思って少し調べてみた。

はてなブックマークでキーワード「パキスタン」を検索

 まず、はてなブックマークで検索。正直言ってはてなブックマークにはあまりこの関連の情報を元から期待していなかった。実際あまり関連情報があがってこない。(ちなみにはてなブックマークでは、(少なくともトップページからは)複数のキーワードやタグで検索することはできないようだ。)

 はてなブックマーク界隈は比較的見ているので、注目されていないのはなんとなくわかっていた。注目エントリーでなく新着エントリー人気エントリーを見ても無関係のエントリーが多い。

 タグで検索したところ、網にかかったエントリーは4つだけだった。

Googleニュースで「パキスタン 地震」と入力して検索

 別に検索サービスの比較が目的ではないので、ここでは初めから「パキスタン 地震」と複数の語を入力して検索。

 デフォルトだと検索ヒット順に並んでいるので、Google流の重要度に従った配列ということになるのだろう。目についたものを拾ってみる。


 まず現時点で一番最近のニュースが次のもの。

インド、パキスタン 寒波で200人超死亡  2006/01/11 09:16

シンガポール10日勝木晃之郎】現地からの報道によると、インド北部を中心に記録的な寒波が猛威を振るい、インド、パキスタンなどで合わせて二百人以上が死亡するなど被害が拡大している。パキスタン地震の被災地でも大雪が続く見通しで、寒さによる死者が続出する懸念が出ている。


 次に読売、産経、朝日といった複数の全国紙で報じられているのが、「麻生外相がパキスタン地震復興のため5500万ドル(約62億円)の追加支援を表明」というニュース。今月5日昼に表明したらしい。読売新聞産経新聞朝日新聞

Yahoo!ニュース - パキスタン地震

 話が前後するが、通常のGoogle(ウェブ全体から検索)「パキスタン 地震」の検索結果のトップに来ていたのが

 「救援、募金の呼びかけ」「バックナンバー」「ニュース」「写真」「社説」「関連サイト」という見出し以下に、個々の項目がリストアップされていて見やすい。少なくともこの件に関する限りYahoo!ニュースのほうがGoogleニュースよりも整理されていてわかりやすかった。

 なお「バックナンバー」の意味がよくわからなかったが、クリックしてみるとYahoo! JAPANのトップページで取り上げたトピックス(過去5日分)をバックナンバーとして掲載しています。とのこと。トップページで、ということね。

地震発生後、これまでの被害状況の経緯を他の情報源から調べてみた

 新聞社の特集ページの中でGoogleでの(通常)検索の上位にあったのが

 最下部にある一番古いニュースに「パキスタン地震から一週間」とあるので、この特集ページからは最初のニュースまで遡れないようだが、大まかな日本国内報道の流れはたどれる。

 この手の話題は実際に復興支援に関わっている団体からの報告がわかりやすいのでそれも探してみた。

  • パキスタン情報 ユニセフからの情報はやや情緒的に感じるが、子供たちがどのような状況で生活しているかということを具体的に知ればこちらの感情がかき乱されるのは当然という気がする。だからユニセフに腹を立てるのも筋違いなのだろう。

いくつかの寄付先

  • WFP パキスタン地震 募金キャンペーン 様々な援助物資の輸送費も含め、パキスタンでの緊急援助活動に、WFPでは1億8200万米ドル(およそ206億円)を必要としています。しかし、12月初旬の段階で、そのうち1億1500万米ドル(およそ130億円)が未だ集まっていません。WFPはWorld Food Programme(国連食糧計画)。FOOD FORCEというゲーム(リンク先は日本語版。WFP関連諸団体の簡潔な説明もある)で活動にほんの少し触れた。

 パキスタン地震被害者の救援・復興という特定の目的での募金先ということでは、ざっと探したところ現時点では以上のところが見つかった。

きっかけなど

 ニューズウィークだったと思うが今数か月分ざっとめくってみても見つからないので新聞だったかもしれない。現地の人の嘆きを読んだ。

 「スマトラ沖の地震のときは世界が目を向け援助をしたが、私たちの時はアメリカのハリケーンの被害など他に重なったのでほとんど関心を持たれていない。同じ時期にたまたま他に大規模な災害がなければ援助を受けられるのに、他にもっと注目される災害があると、こんなに重大な被害を被っていても関心すらあまり持たれない。援助を受けるのは宝くじに当選するようなものだ」大意そのような文だった。

 宝くじという比喩が今ひとつピンと来なかったが、その嘆きは正当なものだと思う。


 今回のパキスタン地震では、死者だけで約7万5000人。そのうち子供の死者は2万人近い(参照:東京新聞)。
 その後も大寒波で被災地を中心に五十人近い死者を数えているとのこと。

 リソースは有限なので、優先順位がついてしまうのは仕方がない、ほんとうに残念ながら。ただその優先順位は可能な限り妥当なものにしていかなければいけない。と思ったのがきっかけ。

 べき乗の法則とかネットワークといったテーマについてはひできさんがずっとHPO:個人的な意見 ココログ版: [書評] べき乗の法則、ウェブログ、そして、不公平さなどで追いかけてらっしゃるが、浅学非才な私なりにこのトピックについて敷衍?すると、群衆の関心はなだれをうって特定のケースに集中しがちといえそうだ。だからあえて別の事柄に目を向けるのも優先順位を可能な限り妥当なものにしていくために、あるいは少し、役に立つかなと思う。
 ただここで私は何も逆張りだとか天の邪鬼というような、価値観そのものをマイノリティ指向にする姿勢の必要を訴えているのではなく、単純に、別の対象にまで関心を向けてみるということなのだけれど、この段落については本題から外れているのでここではこれ以上話を広げないでおこうと思う。


 自分用のリンク集の意図もあってまとめてみましたが、リンク先の間違いやより有益な他の情報など改善点をお教えくださると幸いです。