風呂読

 風呂で本を読むときはどんな風にしていますか?

 太古の昔のダ・ヴィンチにそういうちょっとした特集があったのだけれど、結論としては「湯舟のふたにタオルを載せ、その上に本を置いて」というオーソドックスな方法が一番、ということでした。

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 ふたは一枚を折りたためるものよりも、3枚ぐらいに分かれているものの1枚だけを使ったほうが、本を載せる位置が高くなり過ぎないので読みやすいでしょう(といっても風呂での本の読みやすさのために風呂のふたを買い換える人はあまりいなそう)。

 タオルは小さめのものよりも、ある程度余裕をみておき、シャワーの時には上からも包んで水滴を防げるようなものが便利です。ただしタオルが長すぎて湯舟のふたからはみ出、知らないうちにお湯が染みてしまうと、毛細管現象(かな?)でどんどんとタオルにお湯が上ってゆき、本も濡れてしまいます。

 本は濡れたり湿ったりしてもかまわないと思える程度のものを選びましょう。雑誌がおすすめです。新聞だと湿気に弱いし濡れるとほぼ判読できなくなるので(前にセンター試験の国語をやってみたときに痛い目にあった)、ま、やめとけ。
 ちなみに、ハードカバーのものであっても基準を少し緩めて(この本は読み潰すから少々紙が波打ったりしてもいいや)と思っておくと楽な気持ちでどんどん読めます。ただ古書店では買い叩かれるので覚悟めされ。ブックオファーにはおすすめしない。
 もちろん借りた本はダメです。そんなことをする人は人としてボツです。

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 風呂場での読書の一番の敵はのぼせだと思っています。腹を決めて乗り込んでも、まず30分と持ちません。
 お湯の温度はあくまでぬるめに、ハートはあくまで熱くハートはどうでもよし。最初から速読パワー全開でぶっちぎっておくと、後で「あー、せっかく本読もうと思ったのに少ししか読めなかったよー……」と後悔しません。

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 入浴剤かアロマエッセンスを投入して、それはもうふんごいエンジョイする準備をしておいても楽しめます。
 癒される気満々で一気に駆け抜けるうっふんバスタイムあなたもレッツ・トライ!

 最後に鏡に向かってフェイササイズもどきをひとくさり行い、アメニティ空間でなんとなく悦に入っていた自分の表情の醜さをまざまざと見せつけられることで必要以上に謙虚になっておきましょう。さあ、これでむやみやたらと頭を下げてあれやこれやをやり過ごす大人の態勢は整いました。ご武運を。