ハリケーンが女性名になった経緯

 私は漠然と「大型のもののみ人名が付く」「海のように自然現象系なので女性名」と記憶していたんだけど、その感覚はかなり古かったらしい。


そんな中で George R. Stewart が "Storm"(1941年)という小説を発表した。小説内で著者はストームに女性名 "Maria" とつけた。その小説は大衆に愛読され、戦場に駆り出された兵士のあいだでも読まれるようになった。特に空軍や海軍の気象学者はその本に刺激を受け、太平洋で発生した熱帯暴風雨に母国においてきた愛妻あるいはガールフレンドの名をつけるようになった。戦後は大西洋で発生した熱帯暴風雨にも女性名をつけるようになった。西洋では船にも愛妻の名前など女性名をつけることが多く、違和感がなかったと思われる。

 その後1979年に男性名も採用されることになったとのこと。命名の方式なども載っている。2頁目永久欠番的な名前の話など興味深かった。

 日本でのような台風何号という呼び方よりもたしかに人名を使った方が憶えやすいけれど、大災害をもたらしたハリケーンと同じ名前の人は複雑な気分でしょうね。