『イワンの馬鹿』


 ふと久しぶりにトルストイを読みたくなった。あとで読むのに便利だと思ってついでにここで紹介しようと思い、青空文庫を探してみると『イワンの馬鹿』があった。


図書カード:イワンの馬鹿


 本だとこれかな:

トルストイ民話集 イワンのばか 他八篇 (岩波文庫)

トルストイ民話集 イワンのばか 他八篇 (岩波文庫)


 ざっと再読。バカは強いなあと思った。あと今、しばらく前に書いた記事モヒカン族 - モヒカンダイアリー「アップル通信」 - 大喜利「裸の王様」を連想した。


 記事へのリンクを作成するため上の(「裸の王様」の)記事を数秒見て、もう少し「バカは強いなあ」というセンテンスの意味を開いてみたくなった。

 対人関係の諸々のしがらみ、優越感や劣等感を念頭においた種々のソーシャルな配慮から自由な人。持ち物や権力によって自分を飾ろうとする欲望から自由な人。こうした人は、馬鹿にされたという怒りにうちのめされることもなく、他人を見下して快感を味わおうという衝動にかられることもなく、物や権力に振り回されることもないという意味で、とても強い。


 まあ、『イワンの馬鹿』の中でも、ミヒャエル・エンデに顕著に(そして過激に)みられるような、資本主義に対する敵視のほのかな匂いのようなものについては、とくに強く共感するというほどの感覚はもたないのだけど(かといって侮蔑するとかいうわけでもない)。原始共産主義的なものは理想郷としてすら想像しづらくなった。ヤマギシズムとかよく知らないけどどうなったんだろう。子供は学校に通えているんだろうか(子供の世代はもういないのかな)。


 もともとは『光あるうちに光の中を歩め』とか『靴屋のマルチン』とかないかなあと思って青空文庫をのぞいてみたのだった(後でYuzo's Photo World Quote Page トルストイもちゃんと読んでみよう)。
 記事を書いているうちにだんだん話が転がり始めるので、楽しくもあり面倒でもあり。


 では、


「神様がお前をお守り下さるように。」